ほーりーのえどっこらむ

2011年3月 9日 (水)

第15回 UKIYOE Nightにいってみないと①

謎解き!広重ミューズ 前編

皆様ご無沙汰しております。ほーりーは忘れた頃にやってくる、ということで人知れず更新です(笑)

☆☆☆

さて、私は、浅草二天門横のアミューズミュージアムという博物館の木曜日イベント『UKIYOE Night』に月一で出演。浮世絵に隠された“謎”を独自の視点で解き明かす、という事に挑戦しています。

どういう事をやっているのかというと…

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例えば、歌川広重の「名所江戸百景」の“真乳山山谷堀夜景”という絵をみてみましょう。
手前が向島、隅田川を挟んで吉原へと続く山谷堀を望むという構図です。こんもり盛り上がっているのが待乳山ですね。

この絵が、私、なんか昔から気になっていて。
というのも、手前にいる粋筋の女性、私は“広重ミューズ”と呼んでいますが、
圧倒的に美人じゃないんですよね(笑)。

ではでは 顔をアップしてみましょう

鼻は短いし顎は丸いし目は小さいし、後頭部絶壁だし。
え、ヒドイって?Photo_3
でも、
普通、浮世絵って女性は美化200%くらい綺麗に書くじゃないですか、

この女性、不自然なくらい“写実的”だな。って気がしませんか?

こんな小さな疑問から謎解きが始まるんです。

「ひょっとして、この女性にはモデルがいて、その人の似顔絵なんじゃないか?だとすれば、それはだれ?」
って。

よく言われるのは
“堀の芸者小万”説
小万というのは田沼時代に山谷堀界隈で名を馳せた鉄火芸者(きっぷのよい男勝りな芸者)です。この辺りの代名詞となる有名人という意味では有り得る話しかもしれません。

で・も・・・

この絵が描かれたのは安政四年。
小万さんは既にアラフォーで、芸者はとっくに引退し、諸国巡礼の旅にでているはずなのです。
そんないっちゃわるいけど、過去の人の絵をわざわざ書くでしょうか?
また彼女の着物や髪型、化粧に至るまでが「堀の小万」という一世を風靡した女性を描くにしては、地味すぎる気がします。
何より小万さんは
“冷たい感じのする美人”でしたから、この絵のイメージとはちょっと違いますよね。

まあ、小万以外にも山谷堀には芸者が沢山いましたから、
当時の人は、“この界隈の風情を表す芸者”と見立てる人も多かったと思います。

・・・ん?!でもちょっとまって!
よくみると、この人右手で褄をとっていますよ!!

芸者は左褄が基本の型。
わざわざ右手で褄をとっているってことは
「この人、芸者じゃないよ~ん」
という広重さんからのヒントなのでは?! (続く)

ほーりー(本名・堀口茉純)
昭和末期、東京都足立区に生をうける。
小学生の時司馬遼太郎氏の本に出会い、侍になりたい!と決意。初恋の人は沖田総司。
中学生の時歌舞伎俳優を志すがよく考えたら女子だったので挫折。高校の成績は歴史のみ5。興味は世界史まで広がる。そんな調子で大学に進み、何故か演劇活動を始める。
気がつけば、江戸文化歴史検定1級に合格、現在に至る。
侍になりたい!という初期の目的に向かい邁進中。

ホームページ
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=kinakopandaikirai

2011年3月 4日 (金)

第14回 報告江戸小町浅草案内~お江戸ル浅草ガイドレポート~

特報
ほーりーからお知らせ!
『旅行読売』の臨時増刊号で東京特集があるんですが、ほーりーが本の中で浅草のナビゲーター役をしていま~す!
新スポットから穴場まで、ほーりーオススメの浅草をご紹介!散策に役立つ地図付きで、江戸散歩には是非オススメの一冊です!2月下旬ごろ発売の予定☆本屋さんで買ってね!

はい、
というわけで1月30日、ホテルニューオータニ浅草ツアーのガイドをさせていただきました~!
「きっと参加者の方たちは一度は浅草に行ったことあるはず。どうしたら楽しんでもらえるだろう?」と考え、
広重の『名所江戸百景』を利用して、現在の景色と幕末の風景を重ねて散策することにしました。
これは皆さんにもオススメですよ~。
浅草は都内でも最も江戸を感じる町だと思いますが、浅草寺さんを少し外れるとその面影は極端に薄れてしまいます。
ただ、古地図をみると道や区画などは江戸時代のままだったりしますから、それを便りに浮世絵で描かれた場所が特定できるんですね。
「こんな景色だったんだ~」と想像できて楽しいんですよ☆

ルートも今戸神社→山谷堀→待乳山聖天→猿若三座跡をめぐってから浅草観光のメインスポット浅草寺には雷門を潜らず北から入るという、マニアックな…いやいや、通な設定に。

一緒にガイドした一級二期会の村上芳枝さんが、
「実は、浅草寺御成門は北に有りました。皆様将軍様気分でお参りしましょう」
と言うと、大ウケでした。
2時間強の散策を終え、ホテルに帰り江戸再現ランチ(写真はごくごく一部です)を皆様と一緒にいただいていると、

「一人だとどうしても行く場所が限られてしまう。連れていってもらってよかった」
「地元出身でも知らないことが多く楽しかった」
「実は江戸検二級を持っている。今年は一級に挑戦してみようと決意した」
等のお声をいただき、ほっとしました!!

逆に私が知らなかったい穴場スポット(赤提灯系。笑)等を教えてもらったり、改めてみんなで散策するのって楽しいなっと思いました。

さて、
2月20日には同企画で、『誰も知らない上野ツアー』が開催されます。
勿論、一級合格者がガイドとしてご一緒しますから、江戸検での基礎知識があるときっと楽しんでいただけると思いますよ。下見に同行したのですが、本当に、えっ上野にも、こんな所あったんだ~と思える内容でした。
ご興味がおありの方は是非参加してみてくださいね!

ほーりー(本名・堀口茉純)
昭和末期、東京都足立区に生をうける。
小学生の時司馬遼太郎氏の本に出会い、侍になりたい!と決意。初恋の人は沖田総司。
中学生の時歌舞伎俳優を志すがよく考えたら女子だったので挫折。高校の成績は歴史のみ5。興味は世界史まで広がる。そんな調子で大学に進み、何故か演劇活動を始める。
気がつけば、江戸文化歴史検定1級に合格、現在に至る。
侍になりたい!という初期の目的に向かい邁進中。

ホームページ
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=kinakopandaikirai

第13回 ほり散歩

「皆さ~ん、あるいてますかぁ。一緒に歩きましょ~う」
と、『ちい散歩』ではありませんが、切り絵図片手に江戸散策をするのがほーりーのマイブームです。

江戸検一級仲間では、第三回試験一級合格者有志を中心に『二期会』というサークルを作り、担当者がテーマを決めてガイドをするツアーを隔月で開催していま す。(最も隔月というのはオフィシャルで、ほぼ毎月、誰かがどこかでガイドをしています。その後の飲み会目当てで!?毎回盛り上がっていますよ)
博学な皆様にくっついてゆくと、独学では知り得なかった色々な知識が身につく上に、皆で歩くのが楽しいので、私もなるべく参加しています。
写真は前回の王子ツアー中、飛鳥山での様子です。中央で解説している大山和夫さんの企画で、飛鳥山の山頂で江戸人にならってピクニック(酒盛り?)したん ですよ。飛鳥山名物といえば小さな土器を投げる“かわらけ投げ”ですが、さすがに民家があったため遠慮しました笑。他にも
難解な“飛鳥山碑”読解に皆で挑戦したり、王子稲荷まで歩いて名所江戸百景で広重が描いた“装束榎”があった場所を探したり、
ザ☆江戸Day
って感じで毎回盛り上がっています!

一人で歩く事も多いですね。先日は切り絵図をみていて、ふと「浅草にはよく行くけど、浅草橋までの間にも結構色々ありそうだな」と気がつき、隅田川沿いを下ってみることにしました。
八番堀まである櫛形が印象的な蔵前の景色はどうなっているんだろうと期待したのですが、あっさり埋め立てられていました。
案の定(゜▽゜)、ですかね。でも何となく、埠頭の輪郭は微かにのこっていませんか!?
そしてそして、
近くに何気なく松が植わっていたので、これはと思い見に行くと、やっぱり!“首尾の松”でした。
名前の由来は、吉原に向かう遊客が、逢瀬の首尾を願ったためとも、この辺りに海苔を採るためのひびを仕掛けており、それが訛ったとも言われています。
現在のものは七代目。
写真のおじさん、上首尾を願っているのでしょうか…?

今月末には浅草ガイドをして、お客様と歩きますので、次回コラムではその様子をレポートしようと思います☆
日も長くなって来ました、皆様も東京に埋もれた江戸を探にお出かけになってみてはいかがでしょうか。


-P.S-江戸散歩の注意点として、切り絵図だけでなく、必ず現在の地図も持って行く事をオススメします。道も随分変わっていますし、神社等は移転している場合が多いので迷子になります(経験者は語る汗)。
切り絵図と現在の地図を載せたガイドブックも数多くでていますから、自分にあった一冊を探してみてくださいね!




ほーりー(本名・堀口茉純)
昭和末期、東京都足立区に生をうける。
小学生の時司馬遼太郎氏の本に出会い、侍になりたい!と決意。初恋の人は沖田総司。
中学生の時歌舞伎俳優を志すがよく考えたら女子だったので挫折。高校の成績は歴史のみ5。興味は世界史まで広がる。そんな調子で大学に進み、何故か演劇活動を始める。
気がつけば、江戸文化歴史検定1級に合格、現在に至る。
侍になりたい!という初期の目的に向かい邁進中。

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第12回 鬼の口から足が出た

皆様、
こんにちわ。お正月気分もすっかり抜け、また新しい一年が始まりましたね。
今年が皆様にとって楽しい事が沢山ある、いい年になりますように…


さて、ほーりーは今年の江戸カツ始めとして
1月5日
千歳烏山の寺町にあります、
「幸龍寺」さんで、お江戸のお正月にまつわるお話をさせていただきました。
「幸龍寺」さんは、徳川家康が未だ浜松主の時代、秀忠の乳母の願いによって開基され、徳川家の祈願寺となった御由緒あるお寺さんです。
最初浜松、駿府→江戸時代に入り、湯島→浅草と移転しましたが、関東大震災によって焼けだされ、千歳烏山に移転されました。幕末の切り絵図なんかだと「浅草寺」さんのとなりに、見ることができますよ。
山門、
清正公堂は天保期のものがそのまま残っています。
清正公堂の高炉には、
蛇の目に桔梗といった加藤清正さんの家紋がはいっていて、更に足の部分がめずらしかったので思わず写メ。
鬼の口から、足ガデテマス…

境内の天幕には葵の御紋が染め抜かれ、

江戸萌え初めっ

な気分でしたが、

さらにさらに、
長谷川雪旦、雪堤のお墓をみつけちゃいましたっ

長谷川親子といえば、
「江戸名所図会」「東都歳時記」などで、江戸散策には欠かすことのできない繊細な挿絵を幾多のこしてくれたスーパーファミリーですよね。


しかし、
今はお墓の面倒を見るかたがないそうで、かなり傷んでいて、お正月だというのに寂し気な風情でした。

隣のお墓でお参りしていた檀家さんも、そんな「お墓があるとはしらなかった」とおっしゃっていましたから、江戸好きの皆様、お近くにおいでの際は是非お参り下さい。
私も長谷川親子の挿絵には大変お世話になっているので、お水をあげて、手を合わさせていただきました。
「今年も沢山、江戸をエンジョイできますよう、お見守り下さい」
と。

皆様も一緒に、粋に楽しく江戸ケーションしましょうね、
今年もよろしくお願いします☆

ほーりー(本名・堀口茉純)
昭和末期、東京都足立区に生をうける。
小学生の時司馬遼太郎氏の本に出会い、侍になりたい!と決意。初恋の人は沖田総司。
中学生の時歌舞伎俳優を志すがよく考えたら女子だったので挫折。高校の成績は歴史のみ5。興味は世界史まで広がる。そんな調子で大学に進み、何故か演劇活動を始める。
気がつけば、江戸文化歴史検定1級に合格、現在に至る。
侍になりたい!という初期の目的に向かい邁進中。

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第11回 六地蔵で赤パン

ご無沙汰いたしております。
ほーりーです。
皆様、
試験は如何でしたか?!
結果が来るまでの間って、凄いドキドキしますよね~。

ここでヤキモキしてもはじまらないので、結果の事は一先ず置いておいておきましょう…、

さて、江戸検の勉強をすると、町歩きが俄然楽しくなりますよね!!ってのが、検定を浪人しながらもめげずに受けつづけたほーりーの実感です。


先日、12月の舞台の成功祈願のお練りを、朝丘雪路さん初め、出演者一同巣鴨の『高岩寺』さんでさせていただきました。

巣鴨には、これまであまり馴染みがなかったのですが、
これがビックリ
江戸萌えポイントの宝庫☆なんですね~。

『高岩寺』さんが、巣鴨に移築されたのは明治時代ですが、江戸時代より信仰を集めた秘仏、『延命地蔵菩薩』(とげぬき地蔵)や、明暦の大火供養の為寄進された『洗い観音』(現物はあまりに擦り減ってしまったらしく、写真は平成四年開眼の聖観世音菩薩です)がありますし、凄く賑やかな、おばあちゃんの原宿、『地蔵通り商店街』には江戸から続く老舗が多くあります。

そして、そして…、

この商店街の入口になにやらひっそり佇むお寺さんが。
ちょっと気になって覗いてみたら、
あの
江戸検受験者にはお馴染みの『眞性寺』(注1)さんなんですね!
町歩きをなさる方には当たり前の地理なのかもしれませんが、

出無精の私は知識として知っていても、行ったことがない場所が多くて、

「じゃあ、現おばあちゃんの原宿=旧中山道なんだ~!」

ってなんか感動しちゃいました。

巣鴨名物赤パン(注2)もゲットして、大満喫の一日でしたよ~☆

皆様も、
江戸検定で得た知識をフル活用→江戸カツ(!?)
して、東京の中の江戸を楽しんでみては如何でしょうか。

注1…『眞性寺』とは、江戸の守護のため、街道からの入口六ヶ所に配置された六地蔵の在所の一つ。中山道にある。 

注2…赤パンとは、文字通り赤いパンツのこと。遠赤外線効果で体にいいらしく、巣鴨では至る所で買うことが出来る。洗い観音のプリント入りで結構かわいい。

ほーりー(本名・堀口茉純)
昭和末期、東京都足立区に生をうける。
小学生の時司馬遼太郎氏の本に出会い、侍になりたい!と決意。初恋の人は沖田総司。
中学生の時歌舞伎俳優を志すがよく考えたら女子だったので挫折。高校の成績は歴史のみ5。興味は世界史まで広がる。そんな調子で大学に進み、何故か演劇活動を始める。
気がつけば、江戸文化歴史検定1級に合格、現在に至る。
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第10回 通称知るが通の道

涼風に秋の気配を感じる今日この頃。皆様、如何お過しですか。
ほーりーは舞台の稽古で七転八倒の毎日です。
外題は『与話情浮名横櫛』春日八郎の「お冨さん」で有名なあのお話です。(古いかしら!?)
特に有名なのが、三幕目の『源氏店』の場なんですが、
皆様、いまなんと読みましたか?
この作品のこの場は「げんじだな」ではなく、「げんやだな」と呼ばれているんです。
つまり、『与話情浮名横櫛』の『源氏店』の場の通称が「げんやだな」なんですね。
ナンノコッチャと思った方、
宝ジェンヌのファンは芸名と通称をセットで覚えないともぐり扱いされますが、
歌舞伎ファンも通称を知らないと一人前に扱ってもらえません。
是非蘊蓄つきで覚えて、明日から知ったかぶりをしてください

歌舞伎では"見立て"という技法がよく使われます。
例えば『仮名手本忠臣蔵』は、赤穂事件を題材にしていますが、幕府に憚って太平記の世界に見立てていますよね。みんな元ネタを知ってて見立ての世界を楽しむわけです。
『与話情浮名横櫛』も実際にあった事件を元にしていて、『源氏店』のエピソードはほぼフィクションですが、舞台のモデルになった場所が人形町にありました。
幕府御殿医の岡本玄冶(おかもとげんや)の拝領屋敷があってこの辺りを「玄冶店」といったそうです。
玄冶をげんじと読ませ、舞台を鎌倉にして源氏に引っかけたのがこの『源氏店』というわけ。
でも、観客はあ~あそこの見立てね、って解ってみてるから、
「げんやだな」と呼ぶようになったみたいです。
なんだかヤヤコシイ感じだけど、昔の観客は、このての洒落、大いに楽しんだんですね。
いや、頭が下がります。

先日、出演者全員で、その玄冶店跡から水天宮さんまでお練りをしました。
水天宮さんでは貪欲な!?芸事の神様弁財天様の御開帳もあり、凄く盛り上がりましたよ~。

9月18日から24日まで、水天宮さんから程近い、日本橋劇場で『与話情浮名横櫛』を上演いたします。
『源氏店』もやりますよ~。
ご興味おありの方はほーりーホームページまで、お気軽にお問い合わせくださいね!割引チケット絶賛発売中です。
試験勉強の息抜きに是非

ほーりー(本名・堀口茉純)
昭和末期、東京都足立区に生をうける。
小学生の時司馬遼太郎氏の本に出会い、侍になりたい!と決意。初恋の人は沖田総司。
中学生の時歌舞伎俳優を志すがよく考えたら女子だったので挫折。高校の成績は歴史のみ5。興味は世界史まで広がる。そんな調子で大学に進み、何故か演劇活動を始める。
気がつけば、江戸文化歴史検定1級に合格、現在に至る。
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第9回 明日から使える江戸しぐさ・町人編~

型+血="かたち"です

さぁ、
私達が、1番使えるであろう江戸仕種、町人編です。
まず、

往来は七三歩き…公道は、道の幅三分を自分の歩く範囲とし、
あとは急ぎの人や、荷車等に譲るのが暗黙のルール。

肩引
…路地等ですれ違う時は互いに右肩を引く。
(つまり、左側通行なんですね。)

傘傾げ
…雨の日道ですれ違うときは、お互い傘を外側に傾げる。
(こうすると雫が相手にかからない)

拳腰浮かせ
…混雑した所では、拳一つ分腰を浮かせて席を詰める。
(言われて詰めるのは野暮。)

なんかがありますね。

あと私が感心したのが、履物の脱ぎかたです。

男女が大勢集まって、履物を脱いで座敷に上がるとき、男性は二、三列空けて履物を脱いだそうですよ。
これは女性が足袋を汚したり、大股になったりすることがないようにという配慮だそうです。

私も経験あるのですが、和服を着ていると、所作に制限がでてきますし、
和服でなくても、誰かの履物を踏んずけて座敷に上がるのには、抵抗があるものです。
大股で跨ぎこすのも、恥ずかしいですしね。

こういうことが、自然に身についてる江戸っこって、☆粋☆キラッですよね。

最初に私がいった、泰平の世を支えた江戸の精神て、つまり、常に相手に、他人に対する思いやりを持つことだったと思うんです。

何気なく使っている、『お蔭さまで』ということばがありますが、無事に朝を迎えられるのも、
美味しいご飯がいただけるのも、元気に仕事が出来るのも、「すべてあなたのお蔭さま」っていう、事なんですよね。
日本人の持っている、素晴らしい精神を表している一言です。
そういう気持ちが、"かたち"になり、礼儀作法になっていったのじゃないかなぁなんて、
ほーりーはおもいます!!

ほーりー(本名・堀口茉純)
昭和末期、東京都足立区に生をうける。
小学生の時司馬遼太郎氏の本に出会い、侍になりたい!と決意。初恋の人は沖田総司。
中学生の時歌舞伎俳優を志すがよく考えたら女子だったので挫折。高校の成績は歴史のみ5。興味は世界史まで広がる。そんな調子で大学に進み、何故か演劇活動を始める。
気がつけば、江戸文化歴史検定1級に合格、現在に至る。
侍になりたい!という初期の目的に向かい邁進中。

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第8回 明日から使える江戸しぐさ・武家編~

型+血="かたち"です

マイペースでB型丸出しな
ほーりーです。

神出鬼没が身上です。

血液型、といえば、文字通り、血液の"かた"なわけですが、日本人はこの"かた"ってやつがどうも大好きみたいですね。

先日、礼法の先生がこんなことをおっしゃいました。
"かた"に血をかよわせて、"かたち"にしてください。」
と。
これは確かにその通り。
江戸三百年
と一口にいいますが、一つの社会体制がこれだけの長期に渡り存続していたのには、この"かたち"意識が作り出した社会システムに依るところが大きいのでは?と思います。


参勤交代の例をだすまでもなく、
戦場という武功・忠誠を表現する機会のなくなった武家社会において、"儀礼"は封建制を維持する為の装置として定着していきます。

固定化してゆく階級システムの中で、武士が自分の家を守り、身を守り、社会の歯車として在りつづける為にこの儀礼への参加は不可欠でした。

その時に、相手に対する敵意が無いことを、様々な態度で示してきたことが、礼儀、作法となり、今日に残る"かたち"となったわけです。


例・扇子
今でも和装に扇子は付き物ですが、これは、万能の小道具でした。
まず、身分が高いひとへの挨拶の時は扇子を膝の前に置き、平伏します。
これは結界を表しているんですね。
つまり、自分の領域は扇子のこちら側の範囲に過ぎません、という視覚的な境界です。
相手に警戒されないよう、いいいみで距離を保つという意味があったんですね。

しかも、部屋へ入る時は、扇子を敷居の上に置いて平伏したといいます。
いきなり襖を閉めらて頭を挟まれそうになった時(ナント物騒な!)、扇子がストッパーになるからだそうで。下剋上の名残を感じますね。
これはいまはやっちゃだめですよ!!

目上の人から物をもらうとき、差し出すときも、直接手を触れず、扇子に載せることで敬意をあらわしました。

あと、これはいまでもよく目にしますが、涼をとる為にも勿論使いました。これにもやはり厳密な゛かたち゛があり、得に目上の人の前では、

扇子を三分の一程開け、片手の手の平に風を送る。

のが正解とされていたそうです。

浴衣で出掛けることも多い季節。
ささっと扇子を使いこなして、皆から一歩リードしたいですね




ほーりー(本名・堀口茉純)
昭和末期、東京都足立区に生をうける。
小学生の時司馬遼太郎氏の本に出会い、侍になりたい!と決意。初恋の人は沖田総司。
中学生の時歌舞伎俳優を志すがよく考えたら女子だったので挫折。高校の成績は歴史のみ5。興味は世界史まで広がる。そんな調子で大学に進み、何故か演劇活動を始める。
気がつけば、江戸文化歴史検定1級に合格、現在に至る。
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第7回 魂のコスプレーヤー☆吉原俄を大いに語る

江戸検トップページでも写真つきでご紹介頂きましたが、
ほーりー先日、ラジオに
お江戸のアイドル=お江戸ル(笑)★
として出演させていただきました!!
パーソナリティーの別所哲也さんは、
ほーりーイチ押し時代劇の双璧「龍馬におまかせ!」(もう一つは大河ドラマ「秀吉」です)で千葉重太郎(注1)役を演じられた憧れの俳優さんで、
感慨もひとしお…涙
本当に楽しく江戸トークをさせていただきました。

その中でちらっとお話した、江戸時代のコスプレ(注2)=吉原俄について反響が大きかったので、補足説明させていただきます。

吉原俄とは、ご存知江戸一番の繁華街吉原で、8月一杯をかけて行われたビックイベントのことです。
にわかとはそもそも、素人によって即興的に演じられる、
文字通り、にわか仕込みの物まね芸のこと。
これが享保のころ(明和期に遡る説もありますが…)から、吉原でも幇間(注3)や芸者によって盛んに行われるようになりました。
8月1日の八朔(注4)、続いて九郎助稲荷の祭礼が行われており、
俄はこれらのイベントとあいまって、吉原STAFF・CASTが総出で夏枯れの吉原にお客をよぶ為の一大興行となったわけです。

花魁や芸者衆が、
物語の貴公子やら、
歌舞伎俳優やら、
男装の麗人やら、
思い思いの扮装で、仲ノ町を練り歩く…

麗しい!

江戸萌え☆

でありんす!!

かくいう私も、侍に憧れ試行錯誤する、魂のコスプレーヤー。
8月は、吉原俄にあやかって、様々な形で、装いで皆様の前に現れたいと思っています。

皆様、温かい目で見守ってくださいね☆

本日最後は、ちょっと小粋に長唄『俄獅子』でお別れしましょう。

花と見つ 五町 驚かぬ人もなし
汝も迷うや 様々に

見返れば 花の屋台の  見えつ隠れつ
色々の姿優しき 仲ノ町…

☆ほーりー的解説☆
注1)千葉重太郎とは、幕末の剣客。桶町千葉道場北辰一刀流師範。坂本龍馬の友人。熱い血が流れてる、一本気で優しい好青年であったと、ほーりーは踏んでおります。
注2)コスプレとは、コスチュームプレイで、元々は史劇などを指す演劇用語。最近では特に、アニメやゲームのキャラクターの扮装を真似る事をさす。
注3)幇間とは、お座敷を盛り上げる太鼓持ち。男芸者さんです。
注4)八朔とは、旧暦8月1日こと。家康の江戸入城がこの日であったため、諸大名は白帷子で総登城し、太刀等を献上しました。
吉原でもこの日は花魁が白無垢衣装で道中し、名物になっていたそうです







ほーりー(本名・堀口茉純)
昭和末期、東京都足立区に生をうける。
小学生の時司馬遼太郎氏の本に出会い、侍になりたい!と決意。初恋の人は沖田総司。
中学生の時歌舞伎俳優を志すがよく考えたら女子だったので挫折。高校の成績は歴史のみ5。興味は世界史まで広がる。そんな調子で大学に進み、何故か演劇活動を始める。
気がつけば、江戸文化歴史検定1級に合格、現在に至る。
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第6回 憂き世うきうき浮世考

先日、我等が江戸博の企画展(注1)で、先年発見されたという写楽の肉筆画を拝見しました。

生写楽が見られて大満足☆
他の絵師の浮世絵も多数展示で大満腹★

しかし、浮世絵っていうけど、なんでしょうね~、うきよって。

文献には浮世思想は、"四季の移ろいを先取り、沈む気持ちを浮かせる風潮"として1630年頃から見られるようになります。
次の季節、生きてむかえられる保証はどこにもナイ!そんなら先に楽しんじゃえ~ってなもんで。
江戸っこの初物好きは、この辺りにルーツを見ることができるかもしれませんね。

泰平の世は新たな閉塞感を生み、そんな中で現実よりも虚構に価値観を見出していった傾き者や伊達者。
一瞬先は闇の厭世観からこの世を憂う庶民達。

明暦の大火(注2)により刹那主義は決定的に根ずいたようです。
つまりうきよとは
憂き世・浮世(ふせい。はかない人生)のことなんですね。

1680年には"浮き世"という言葉が実際に使われ始め、
菱川師宣によって、遊女や市井の男女を描いた江戸絵が、「浮世絵」として後進の絵師たちに引き継がれてゆくんです。

浮世絵の特徴は庶民のための文化であったことだと思います。

写楽の絵は「あまりに真をかかんとて(あんまりリアルで)」発表当時の評判はイマイチ!だったそうで。

庶民が求めたのは、現実をわすれて文字通りうきうきするような浮世絵だったのかも知れませんね。

これは現代でも代わらない。
夢を形にする術として、浮世絵、という二次元世界を育んだ歴史が、
世界がみとめる日本の文化、アニメや漫画を生む土壌になったのだと思います。

これらが庶民の文化だから国内的にはサブカルチャー扱いって辺りも代わりませんね笑。

ではここいらでほーりー的結論!いっきまーっす。
二次元は、
江戸から続く
御家芸。
お粗末。キラッ☆

☆ほーりー的解説☆
注1)「写楽幻の肉筆画」展は、江戸博の特別展。見ればあなたも、ありがとう、ギリシャ!と叫びたくなる。ハズ。
注2)明暦の大火は、江戸検受験者なら語りだしたら30分は止まらない。ハズ、の江戸時代初期における超重大事件。30秒で止まった方、いますぐテキストを復習しましょう!




ほーりー(本名・堀口茉純)
昭和末期、東京都足立区に生をうける。
小学生の時司馬遼太郎氏の本に出会い、侍になりたい!と決意。初恋の人は沖田総司。
中学生の時歌舞伎俳優を志すがよく考えたら女子だったので挫折。高校の成績は歴史のみ5。興味は世界史まで広がる。そんな調子で大学に進み、何故か演劇活動を始める。
気がつけば、江戸文化歴史検定1級に合格、現在に至る。
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